鮮烈なデビューだった。それは初出走から数えて4走目のこと。6号艇6コースの新開は、展開を突く差しを決めて嬉しい初勝利。これが2連単579900円という高配当を叩き出したのだ。これは、２連単のボートレース史上最高配当。レコードを塗り替えての初勝利をあげた新開は、いきなりボートレースファンの脳裏にその名を刻み付けた。
この勝利は決してフロックではなく、その後の新開は着実に階段を上っていく。デビュー2年でA級昇級。初優勝は2年足らずの18年1月に、やはり6コースからあげている。このときも2連単、3連単ともに万舟となっている。その後、1期だけB級に戻っているが、ふたたびA級に戻ると、今年前期はついにA1級に昇級している。
さすがの高配当男も、成績が上昇するにつれ人気を集めることが多くなってきた。それでもコースを問わない安定感を武器に、記念戦線では大穴をあけてくれるはずだ。

2016年5月24日、芦屋で2連単の最高記録が出た。579,900円。デビュー節4走目の新開航が6コースから差し切り大波乱をもたらした。その位負けしない姿は子どもの頃の野球にさかのぼる。小学校時代、野球で全国大会優勝。香港で開催された世界大会にも出場した。「あの緊張した経験が大きいかもしれない」と、周囲にも語っているが、その頃から「テレビで見て」気になっていたのがボートレースだった。『星をもっている』男である。
それが今につながるのは国立宮崎大在学中。118期に合格すると大学卒業を待たず、ボートレーサー養成所に入所している。令和元年の最優秀新人・宮之原輝紀や卒業記念優勝の板橋侑我らと同期である。仲間の活躍が相乗効果をもたらすのは当然。競争心が結果につながって現在に至る。
2018年1月地元芦屋で6コースからまくり差して初優勝を飾ると、同年11月には福岡ルーキーシリーズでイン逃げを決めてV。昨年はびわこルーキーシリーズタイトルを手にしている。
「まくり差しが好きです。3コースもイメージがある」と語る新開航。一打席一打席にドラマがあるように、水上でもタイムリーヒットを連打する予感がする。そこに特大ホームランが含まれることを忘れてはならない。